本記事では、YouTube広告が2024年度に発表したアップデート情報について解説いたします。
YouTube広告は、今や身近な存在になっており、今後さらなるプロダクトのアップデートが予想されます。トレンドをキャッチアップしながら、自社の広告メニューとして取り入れるかどうか、判断してみましょう。
この記事でわかること
- YouTube広告の現状
- 最近のYouTube広告のアップデートで重要な3つのポイント
- 今後のアップデート予定を見据えた対策方法
目次
YouTube広告の現状
別の記事でも紹介しましたが、Googleの持ち株会社である米Alphabetが発表した24Q1の決算によると、純利益ベースで過去最高益、4四半期連続の増収増益となっています。
その中でもYouTube広告の伸びはYonYで+21%と、他のどのプロダクトよりも高い成長率を誇ります。
出典:GOOG Exhibit 99.1 Q1 2024 (abc.xyz)
このように、Google広告内でも伸びしろのある広告メニューであることから、注力されていると考えてよいでしょう。
最近のYouTube広告で変化した3つのアップデート
ここでは、すでに管理画面上でリリースがされている機能やメニューについて、順番に紹介していきます。
①YouTube コネクテッドテレビにおいて30秒強制視聴の動画広告がリリース
予約型広告「YouTube Select」により、CTV(Connected TV)向けのアンスキッパブルな30秒の広告が提供開始。スキップ機能がないため、ユーザーに最後まで広告を視聴させることが可能となりました。
これまでは、スキップ不可動画は6秒のバンパー広告と15秒のスキップ不可のインストリーム広告のみでしたが、30秒の広告も配信可能になり、例えばTVCMの30秒素材を流用することができます。
また、広告配信頻度は、YouTube独自のアルゴリズムによってユーザーの視聴動向を自動で分析し、フリークエンシーが過多にならないように調整されます。
広告配信タイミングは、プレロール(動画開始前) 、ミッドロール(動画内の任意のポイント) 、ポストロール(動画終了後)の3つあります。ただし、タイミングの指定はできません。
このアップデートは、TVCMを出稿している広告主様におすすめです。
30秒素材を流用し、より豊かなストーリーテリングで地上波テレビでは到達できない層までリーチすることが出来ます。全広告アカウントで開放されている機能ではないため、開始する際は、Googleの営業担当への確認が必要なメニューとなります。
②YouTube広告の検索リフト単価を算出可能!VTBS(疑似指名検索コンバージョン)
VTBS(ビュースルーブランドサーチ)とはYouTube広告に接触したユーザーにおける指名検索数のことを指します。こちらの指標によって、動画広告接触後ユーザーの指名検索数を算出することができます。
従来のサーチリフト調査では、検索数の増分をキャンペーン実施前後比較し、相対的な比率としてしか出すことができませんでした。こちらの仕組みでは広告効果による指名検索実数を可視化できるため、アッパー→ミドル・ロウワーファネルへの貢献の評価をより具体的に行うことが可能です。
▼VTBSの仕組み
▼計算方法
動画キャンペーンのアカウントと指名検索キャンペーンのアカウントを分けて配信することで以下の指標を得ることができます。
認知施策の効果測定の中間指標として活用できるソリューションです。
感覚として、認知施策を実施した後に、指名検索が増えたなと感じることはあるかと思いますが、その効果を定量的に示すことができるようになりました。
こちらも、全広告アカウントで開放されている機能ではないため、開始する際は、Googleの営業担当への確認が必要なメニューとなります。
③Trueviewインストリーム (CPV)が動画視聴キャンペーン(VVC)に統合
2024年Q4中に、YouTube広告の「Trueviewインストリーム」と「インフィード広告」 (CPV)の新規キャンペーン作成が不可能になります。
既存キャンペーンは、2025年の初頭まで配信可能ですが、以降はVVC(動画ビューキャンペーン)に自動で更新がされます。
このアップ―デートにより、インプセッション単価や動画視聴単価が抑制できる傾向にあるため、
基本的には、TrueViewインストリーム、インフィード広告をご利用の広告主様は基本的に導入することをおすすめします。
今後のアップデートについて-Google Marketing Live 2024
先ほどは、既に実装されているアップデートについてお話をしましたが、ここからは、今後アップデートされる予定のものをご紹介していきます。
日本時間5/22(水)にGoogleの大型イベント「Google Marketing Live 2024」(GML)が開催されました。
GMLは2013年より毎年1回開催されている、Googleの広告領域の新製品発表や最新動向を伝えるイベントです。現在実装されているアップデートも含め、さらに未来のアップデート内容が語られる場でもあります。
今年のGMLの最大のテーマは、去年に引きつづき「AI」でした。
昨年はクリエイティブを中心に実験的な状況でしたが、今年は効果測定やインサイト提供への拡充や、プロダクト間・機能間の連携など、実践を意識した作りになっていました。
中でもYouTubeについては、以下のようなアップデートが案内されました。
より多くの視聴者に行動を促すために
①ステッカーを使用してショート広告のインタラクティブ性を高める
今後数か月以内に、ショート広告にステッカーを導入し、広告のインタラクティブ性を高め、ショート広告にネイティブな形でコンバージョンの可能性を高める予定です。
商品フィード、アプリストアのリスティング、広告キャンペーンの情報から要素が取得され、ショート広告の上部にクリック可能なステッカーとして表示されます。
②ショート動画を視聴するユーザーのエンゲージメントを高める
今後数か月以内に、YouTube ショートを視聴する視聴者が、左にスワイプして YouTube 内のランディング ページに移動したり、ダブルタップして「いいね!」をできるオプションを用意する予定です。これにより、ショート動画の広告視聴者は、ショート動画以外にもYouTube の他の場所で長編コンテンツを見つけやすくなります。
③クリエイターと YouTube ショッピング アフィリエイト プログラムの拡大
対象となる YouTube クリエイターが動画、ショート動画、ライブ配信に商品を簡単にタグ付けできるため、視聴者は視聴しながらショッピングを行えるようになります。今年後半には、米国のShopify Plusと一部の選ばれた広告主がテストプログラムに参加し、商品をYouTubeにシームレスに同期し、どのクリエイターやコンテンツが売上を伸ばしているか、確認をすることができるようになります。
これは、Instagramの商品タグに近しいアップデートかもしれません。
④クリエイターが作成した動画を YouTube 広告として宣伝
今後数カ月のうちに、クリエイターが作成した動画をYouTube広告として宣伝することができるようになります。また、これらの動画の視聴者に基づいて新しいオーディエンスセグメントを作成することも可能です。
こちらもInstagramでいう第三者配信に近しいアップデートになることが想像されます。
広告の掲載場所がさらに詳細に確認ができるように
⑤キャンペーン タイプを問わずショート広告のプレースメントにアクセスし、レポートを作成できるように
ショート動画を含むさまざまな YouTube広告で掲載されるコンテンツを確認できるようになりました。また、YouTube インストリームや YouTube ショートでの掲載場所の調整やテーマ別の除外を使用して、広告の掲載場所を管理することもできます。
これはYouTube広告が透明性や信頼性を確保していることを改めて強調したアップデートとなります。
YouTubeと連携している信頼できる第三者機関の一覧も以下ページにて公開されています。
YouTube Measurement Program
出典:Google Marketing Live 2024: Your roundup of announcements – Google Ads Help
まとめ
YouTube広告の2024年度に実装されたアップデートから、今後予定されているアップデートについてご紹介しました。
これらのアップデートの情報をみるに、YouTubeでは、単に動画を視聴してもらうという行動から、商品購入などの購買行動へ、視聴者を繋げていこうという取り組みを強化しているようにも見受けられます。
確かにYouTube広告といえば、認知の拡大を目的として活用することが多いですが、特にショート動画の広告フォーマットで、より売上獲得・顧客獲得に向けた目的で活用する機会が多くなってくるかもしれません。
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