アニメーションと聞くとテレビで見るようなアニメ作品を想像されるかもしれません。しかし、最近ではサービス紹介やブランディング、説明会動画などビジネスシーンで多くの企業が活用しています。
本記事では、企業でよく使われるアニメーション動画の手法12種類の特徴とメリット、企業の活用事例について解説します。自社でアニメーション動画の制作を検討している方は、制作する前に必ず目を通すことをおすすめします。
この記事で解決できるお悩み
- アニメーション動画の種類や手法を知りたい
- それぞれの手法の特徴やメリットを知りたい
- アニメーション動画の企業での選び方を知りたい
目次
アニメション動画の種類
アニメーション動画とは、イラストや文字、図形などを動かすことで表現する動画のことです。アニメーションにはさまざまな手法や表現方法があり、アニメーションの種類によって動画の印象が異なります。
それぞれのアニメーション動画の種類や特徴について詳しく説明します。
イラストアニメーション
手描きのイラストやデジタルのイラストを動かして、視覚的に知覚することができる動画を制作します。実写の動画と比較すると、目には見えないイメージを自由な表現で視覚化できるため、商品やサービスを紹介する動画な度でよく使われます。例えば建物や人物を表現したい際に、実写の場合は撮影が必要です。キャスティングや撮影部隊やロケ地など通常経費がかかりますが、イラストを活用すればその部分を削減し、映像表現の幅も制限なく広がります。
3DCGアニメーション
3DCG アニメーションは、CG技術を活用した立体的なキャラクターやオブジェクトを使い、リアルな動きと深みのある視覚効果を提供します。2Dのアニメーションと比較すると、よりリアリティがあり実物が動いているように伝わるため、視聴者を引き込むことができます。
ただし、3DCGの求める技術が高くなればなるほど制作費も高額となります。数十秒で数百万円かかることも多いため、3DCGではないと表現できない際に検討する必要があります。
モーショングラフィックス
モーショングラフィックスは、テキストや写真、文字などの静止画の素材に動きをつけて表現するものです。音に合わせて静止画を動かすことで、エネルギッシュでダイナミックな視覚効果を生み出します。動画の表現をリッチにしたり先進性を感じさせる場合に有効です。センスの良い企業は好む傾向が高いです。
インフォグラフィックアニメーション
インフォグラフィックアニメーションは、モーショングラフィックスの一種で、数字データやグラフの情報を視覚的に表現することで、複雑な情報を分かりやすく伝えることができます。例えば売上や従業員数の増加推移、男女比率などデータを表現したい時に有効です。
企業のサービス紹介動画やIR動画、決算発表動画などでよく使われる手法です。
キャラクターアニメーション
キャラクターアニメーション動画は、個性的なキャラクターを動かしてストーリーを展開する手法です。キャラクターを使用することで親しみやすいコンテンツとなり、視聴者に親近感を与えることができます。
すでに自社のイメージキャラクターを持っている会社は、アニメーション化することでよりイメージアップへ繋げることができます。自社でお持ちではない場合は制作会社に依頼することもできるでしょう。
ストップモーションアニメーション
ストップモーションアニメーション動画は、実際にある物理的なオブジェクトを少しずつ動かしながら撮影し、写真を繋げて映像にするものです。
切り紙や布などを撮影する「カットアウトアニメーション」と、粘土で作った人形などを撮影する「クレイアニメーション」などがあります。
他のアニメーション動画と比較すると、ぎこちない動きになりますが企業のサービス紹介動画やブランディング動画などで取り入れることで、優しく親しみやすく、他社の動画との差別化できるメリットがあります。
ホワイトボードアニメーション
ホワイトボードアニメーションは、ホワイトボード上に描かれるイラストで情報を説明する様子を映像にしたものです。シンプルで理解しやすいアニメーションスタイルであり、汎用性が高いことが特徴です。
最近はYouTube動画でもよく使われるようになりました。企業では、サービス紹介や会社の説明会、社員向けの研修動画などで使われることが多いです。
ピクトグラムアニメーション
ピクトグラムアニメーションは、シンボルやアイコンなどのピクトグラムを動かして情報を伝える手法です。ピクトグラムの代表としては、トイレマークや交通表示、非常口マークなどがあります。先ほどご紹介したインフォグラフィックアニメーションとの相性が良いため並行して活用されることが多いです。
視聴者にとって普段から馴染みのあるピクトグラムを動かすことで、より印象的なコンテンツとなります。
スクリーンキャスト
スクリーンキャストは、PCやスマートフォンなどコンピューターのスクリーンを録画(キャプチャ)して説明を加えるアニメーション動画です。実際の画面を見せながら説明するため、操作方法や使い方などの説明のイメージがつきやすいという特徴があります。
企業では、マニュアル動画や、デモンストレーション動画などでよく使われます。
タイポグラフィックアニメーション
タイポグラフィックアニメーションは、テキストを動的に表示し、視覚的なリズムと共にメッセージを強調する手法です。文字のフォントや動きだけで、その文字が与える印象が大きく変化し言語情報が視聴者の頭にのこちやすくなる特徴があります。
企業では、重大発表やセール情報など、視聴者に言葉のインパクトを与えたい場合に効果的です。TVCMやYouTube短尺CMで活用されます。
モンタージュアニメーション
モンタージュアニメーションは、写真や画像の切り抜きを動かすことで一つの物語を語る手法です。実物の写真を動かし、音声などを加えることで視覚的にイメージしやすくなる特徴があります。
制作費用を実写動画よりも安くできるため、費用を抑えて動画を制作したい企業におすすめです。
アイソメトリック(2.5D)アニメーション
アイソメトリックは、2Dと3Dの中間的な表現を用いる新しい手法であり2.5D動画とも呼ばれます。対象物を斜め角度から影をつけて描くデザインが一般的であり、2Dと比較し立体的に表現できる特徴があります。
3DCG動画と比較すると比較的安く制作することができ、企業のコンセプトムービーやサービス紹介動画、社会貢献活動などを伝える動画で使われます。
アニメーション動画を使用する7つのメリット
アニメーション動画を制作することで得られるメリットを7つ説明します。
実写ではできない幅広い表現ができる
前章で紹介したような、さまざまなアニメーション手法を駆使することで、実写ではできないような目には見えないイメージを視覚化し、イメージの伝わる動画を制作することが可能です。
使用するアニメーションの手法や表現方法によって、視聴者に与える印象も変化させることができるため、自由で幅広い内容を伝えることができます。
コストを抑えることができる
アニメーション動画では、実写動画と比較し撮影場所やキャスト、カメラマン、セット道具などのコストを削減することができます。実写ほど動画制作にお金をかけたくないという方は、まずはアニメーション動画でできる表現を模索してみることも可能ですので、まずはプロの動画制作会社に相談してみてください。
目には見えないイメージが伝わる
アニメーション動画では、目には見えないような複雑な情報や抽象的なイメージも簡単に理解できます。例えば、無形のデジタルサービスの仕組みや、商品を購入した際のお金の動きなども視覚的に伝えることができ、視聴者に内容が伝わりやすくなります。
視聴者の印象に残りやすい
アニメーション動画は、文字や言葉よりも内容が頭に入りやすく、視覚や聴覚から印象に残りやすいといったメリットがあります。文字やイラストの動きや表情が豊かなキャラクターなどを使用することで視聴者の感情に訴えかけ、長く記憶に残るという効果もあります。
短い時間で多くの情報量が伝わる
アニメーションの1分間の動画は、webサイトのページで例えると3,600ページに及ぶと言われています。複雑なデータや概念も、シンプルで理解しやすいアニメーションによって瞬時に伝えることが可能です。
例えば、インフォグラフィックアニメーションは、統計データやプロセスの複雑な流れを視覚化し、視聴者が短い時間で一気に情報を把握することができます。
アニメーションの修正が比較的簡単にできる
アニメーションは、実写と違い、後からでも修正や更新が容易に行えることもメリットの1つです。例えば、色の変更、テキストの編集、シーンの追加や削除などが、実写映像と比較して迅速かつ効率的に行えます。これにより、納期や予算の制約の中でも柔軟に対応することが可能です。
自社のキャラクターを創出することができる
アニメーションを通じて独自のキャラクターを創出することで、企業はブランドの個性を強化し、視聴者へ親しみやすく感情的な繋がりを築くことができます。
これらのキャラクターは、マスコットとしての役割を果たし、広告、プロモーション、ソーシャルメディア(SNS)など様々なメディアで一貫したブランドイメージを構築するのに役立ちます。
アニメーション動画の作成方法
アニメーション動画の制作プロセスは以下のステップに分かれています。
事前事項の明確化
アニメーション動画を制作する際には、まず最初に以下5つのポイントを明確にします。
- 動画制作の目的
- 伝えたいターゲット
- 動画内で伝えたいメッセージ
- 動画を活用する場面
- 予算と納期
これらのポイントが曖昧なまま進めてしまうと、「イメージと違った」「修正が多く納期に間に合わない」などトラブルの原因となりますので、制作会社と事前に確認することをおすすめします。
脚本の準備
お客様にいただいた情報をもとに脚本を作成します。脚本が動画の目的とメッセージを明確にし、ストーリーラインやシナリオの土台となります。
絵コンテ(ストーリーボード)の作成
次に、脚本に基づいてビジュアルの流れを設計し、各シーンのレイアウトを決定します。
絵コンテは、実際の映像の画面やカット割り・台詞や演技・状況指示などを1シーンずつ描き込んだものであり、いわゆる4コマ漫画のようなものです。
この地点でデザインのテーマやイメージが決まるため、お客様と共有しながら進めていきます。
引きつけとアクションを呼ぶCTA
視聴者の注意を引きつける要素とアクションを呼びかけるCTAを設計します。CTAとは、動画の視聴者へアクションを訴求することで、「動画を見た視聴者がどのような行動をとってほしいのか」というようなアクションを促します。
例えば、サービスの会員登録者数増加を目的とする動画の場合、視聴者へ会員登録を訴求するパートを設計します。
アニメーション化
絵コンテやストーリーボードをもとに、キャラクターやオブジェクトに動きを付けて本格的なアニメーションを作成します。
音楽やナレーションの追加
音楽(BGM)やナレーション、特殊効果など、動画に追加的な要素を追加します。このアレンジを工夫することで、より視聴者を引き込むことができます。
音楽の選曲や、ナレーションの声優を男性にするのか、女性にするのかによっても、視聴者に与える印象が異なります。完成の動画をイメージしながら、最適な要素を選択します。
アニメーション動画を活用できるシーン
アニメーション動画は多岐にわたるシーンで効果的に活用できます。具体的な目的と使用シーンを解説します。
集客が目的のアニメーション動画
集客を目的としたアニメーション動画は、製品やサービスを魅力的に紹介し、新規顧客を引き付けるためのツールとして使用します。
視覚的に魅力的で理解しやすい内容は、視聴者の関心を引き、ウェブサイトやLP(ランディングページ)へのトラフィックを増加させる効果があります。また、SNS(ソーシャルメディア)でのシェアが促され、広範囲にわたる視聴者にリーチすることが可能です。
採用が目的のアニメーション動画
採用を目的としたアニメーション動画は企業文化や職場環境を紹介し、新卒採用や中途採用の求職者に企業への興味を持ってもらうために活用します。
具体的な理念や社員の声を動画に盛り込むことで、企業の理解が深まり志望者のモチベーションを高めることができます。企業の会社説明会やコーポレートサイト、SNSなどで利用され、効果的な人材獲得に貢献します。
ブランディングが目的のアニメーション動画
ブランディングを目的としたアニメーション動画では、企業のブランドストーリーや価値観を表現し、視聴者に個性や期待感を与えることを目指します。強力なストーリーテリングや個性的なキャラクターを用いることで、ブランドへの感情的な繋がりを創出し、顧客との信頼関係や安心感を構築します。
ブランディング動画は、広告や公式ウェブサイト、イベントなどで使用され、ブランドイメージの向上に寄与します。
社内研修・教育が目的のアニメーション動画
社内研修や教育を目的としたアニメーション動画は、従業員への効果的なスキルトレーニングや情報提供を目的としています。複雑な内容や手順を分かりやすく視覚化することで、学習しやすいという特徴があります。
また、繰り返し視聴することが可能であるため、自己ペースでの学習が可能です。企業では、社員教育、トレーニング、操作手順の説明など、多岐にわたる用途で活用されています。
商談が目的のアニメーション動画
商談の成功を目的としたアニメーション動画は、プレゼンテーションや商談の場で使用され、提案内容を効果的に伝えるために設計されています。
製品の特徴や利点、使用例などを明確に示すことで、見込み客の理解を深め、購買意欲を刺激します。商談で動画を使用することで、属人化せずに説明クオリティを均一化でき、商談の受注率を上げる効果があります。
また、アニメーションでは圧倒的な情報量を短時間で伝えられるため、商談にかける時間の削減にもなるというメリットもあります。
アニメーション動画を活用している企業例
多くの企業がアニメーション動画をマーケティングや内部コミュニケーションに積極的に取り入れています。
JAL 日本航空:「バイオジェット燃料」取り組みの紹介動画
「バイオジェット燃料」というCO2を減らす取り組みを表現している動画です。主に2.5Dアニメーション(アイソメトリック)の手法が活用されており、ゴミから燃料になる流れをよりイメージしやすいように工夫されています。
旭化成株式会社:会社紹介動画
旭化成株式会社の会社紹介動画です。優しい素材感のイラストに動きをつけることで、会社の歴史や地域貢献の様子がイメージでき、視聴者に安心感や信頼を与えられる設計になっています。
タイポグラフィックアニメーションやモンタージュアニメーションなど、伝えたい内容によってさまざまなアニメーション手法が使われいます。
orosy株式会社:サービス紹介動画
orosy株式会社の卸仕入サービスorosy(オロシー) サービス紹介動画です。言葉では説明するのが難しい複雑なサービスの仕組みやお金の動きを、アニメーションで視覚的に表現しています。
まとめ
アニメーション動画はその多様性と効果的な表現力で、多くのビジネスシーンで活躍すること間違いなしです。目的や与えたい印象によってアニメーションの種類をうまく使い分けることで、より効果的なアニメーション動画を制作することができます。
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