「YouTube広告を始めたいけれど、いくら予算を用意すればいいのかわからない」「適切な費用の決め方や計算方法を知りたい」「限られた予算で最大の効果を出すにはどうすればいいのか」そんな疑問を抱えている広告担当者は多いのではないでしょうか。
この記事で解決できるお悩み
- YouTube広告の種類別費用相場と課金方式
- 主要な広告フォーマット3種類
- 目的別のYouTube広告活用方法
- 予算の逆算方法と具体的な計算例
- 広告効果を測定する3つの重要指標
- 広告費以外の動画制作費用の目安
- YouTube広告市場の成長トレンド
この記事では、YouTube広告の費用の仕組みから具体的な計算方法、効果測定の指標まで、予算設定に必要な情報を包括的に解説します。YouTube広告への出稿を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
YouTube広告の費用はどう決まる?早見表と基本の仕組み
YouTube広告の出稿を検討するにあたり、まず把握しておきたいのが広告の種類とそれぞれの費用相場です。目的によって最適なフォーマットは異なるため、以下の早見表で全体像を掴みましょう。
目的 | 主な広告フォーマット | 課金方式 | 費用相場 |
---|---|---|---|
認知拡大![]() | ・インストリーム広告(スキップ不可) ・バンパー広告(6秒) | CPM | 300円~800円/1,000回表示 |
比較検討![]() | ・インストリーム広告(スキップ可) ・インフィード広告 | CPV | 2円~30円/1再生 |
行動促進![]() | ・動画アクションキャンペーン (旧TrueViewアクション広告) | CPA/CPM | 広告主の設定による |
※CPM = 1,000回表示あたりの費用、CPV = 1再生あたりの費用、CPA = 1コンバージョンあたりの費用
YouTube広告の費用は、広告主が設定した上限額に基づき、オークション(入札)形式で決定されます。課金のルールを理解することが、適切な予算設定の第一歩です。
入札方式と課金ルール(CPM・CPV・CPA)
YouTube広告の課金方式は、主に以下の3種類です。
CPM (Cost Per Mille) | 広告が1,000回表示されるごとにかかる費用です。「インプレッション課金」とも呼ばれ、とにかく多くの人に広告を見せたい(認知拡大)場合に適しています。 |
---|---|
CPV (Cost Per View) | 広告が1回視聴されるごとにかかる費用です。視聴とは、ユーザーが動画を30秒間(30秒未満の広告では最後まで)視聴した場合や、動画を操作した場合にカウントされます。動画の内容をしっかり伝えたい場合に有効です。 |
CPA (Cost Per Action) | 広告経由でコンバージョン(購入や問い合わせなど)が1件発生するごとにかかる費用です。広告主が目標CPAを設定し、その目標内で最大限のコンバージョンを獲得できるよう配信が最適化されます。 |
広告フォーマットごとの種類
上記の課金ルールは、まずは広告フォーマットについて詳しく見てみましょう。

画像引用元:Google広告ヘルプ「Google動画パートナー」
広告の表示にはさまざまな種類がありますが、主に理解しておくとよいのは以下の3つです。
インストリーム広告 | YouTube本編の前後や途中で自動再生される動画広告(スキップ可・不可あり) |
---|---|
インフィード広告 | YouTubeホーム、検索結果、関連動画欄に「おすすめ」としてサムネ表示 |
動画アクションキャンペーン (旧TrueViewアクション広告) | 動画アクションキャンペーンの一部として配信。CTAボタン表示や目標コンバージョン重視 |
YouTube広告の費用は逆算して決める!まずは目的を明確にしよう
効果的なYouTube広告運用のためには、まず「広告で何を達成したいのか」という目的を明確にし、そこから必要な費用を算出する『逆算思考』が極めて重要です。自社のビジネス課題や状況に合わせて、以下の3つの目的のうちどれに当てはまるかをまず考えてみましょう。
目的1|認知を広げたい
こんな場合におすすめ
- 新商品や新サービスをリリースし、とにかく多くの人に存在を知ってほしい。
- 検索広告など他の施策が順調で、さらに上の潜在層にアプローチしたい。
- ブランドリニューアルや周年イベントなどで、企業の新たなメッセージを届けたい。
この目的の場合、KPI(重要業績評価指標)は「リーチ数(広告が届いた人数)」や「インプレッション数(広告の表示回数)」となります。できるだけ多くのユーザーの目に触れさせることがゴールです。
この目的には、6秒でインパクトを残す「バンパー広告」や、最後まで必ず見てもらえる「スキップ不可のインストリーム広告」などが適しています。
目的2|動画を多くの人に見てもらいたい
こんな場合におすすめ
- 製品の特長を詳しく解説したデモンストレーション動画がある。
- 企業の想いやブランドストーリーを込めたコンセプト動画を制作した。
- 動画の内容に自信があり、メッセージをしっかりと伝えたい。
この目的の場合、KPIはシンプルに「動画の視聴数」です。ただ表示されるだけでなく、ユーザーが能動的に動画を視聴(30秒以上、または広告の最後まで視聴)することがゴールとなります。
そのため、広告に関心を持ったユーザーに視聴してもらいやすい「スキップ可能なインストリーム広告」や、関連動画の横などに表示される「インフィード広告」が効果的です。
目的3|購入・問い合わせにつなげたい
こんな場合におすすめ
- ECサイトでの商品購入を直接増やしたい。
- BtoBサービスの資料請求や問い合わせ(リード)を獲得したい。
- セミナーやイベントへの申し込みを促進したい。
広告の最終目的を、Webサイトでの具体的なアクション(成果)に置くケースです。KPIは「コンバージョン数(CV数)」となり、広告費用対効果(ROAS)が最も重要視されます。
この目的には、クリック可能な見出しや行動を促すフレーズ(CTA)が大きく表示され、コンバージョン獲得に特化した「動画アクションキャンペーン(旧TrueViewアクション広告)」が最適です。
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YouTube広告の予算を逆算する方法【計算例つき】
目的とKPIが決まれば、必要な予算の目安を算出できます。
例1|100万人に動画をリーチしたい場合
認知拡大が目的の場合、CPM課金の広告を利用します。CPMの相場を800円と仮定すると、計算式は以下のようになります。
▼計算式|(目標リーチ数÷1,000)×CPM単価=予算
(1,000,000回÷1,000)×800円=800,000円
例2|10万人に動画を視聴してもらいたい場合
動画の視聴数獲得が目的の場合、CPV課金の広告を利用します。CPVの相場を30円と仮定すると、計算式は以下のようになります。
▼計算式|目標視聴数×CPV単価=予算
100,000回×30円=3,000,000円
例3|100件のコンバージョンを獲得したい場合
コンバージョン獲得が目的の場合、少し計算が複雑になります。サイトのCVR(転換率)や広告のCTR(クリック率)を仮定して、必要な表示回数を算出します。
▼計算式|必要な表示回数=目標CV数÷サイトCVR÷広告CTR
100件÷2%÷0.5%=1,000,000回
▼計算式|必要な予算=(必要な表示回数÷1,000)×CPM単価
(1,000,000回÷1,000)×800円=800,000円
YouTube広告で確認すべき効果指標
リーチ数や視聴数といった直接的な指標だけでなく、ビジネスへの貢献度を測るためには、以下のような間接的な指標も合わせて確認することが重要です。
指標1|指名検索数の変化
YouTube広告によってブランドの認知度が上がれば、社名や商品名で検索する「指名検索」の数が増加する傾向にあります。広告配信の前後でGoogleサーチコンソールなどの数値を比較し、認知向上の根拠としましょう。
指標2|リーチ効果調査
TVCMなど複数のメディアを併用している場合、各メディアのリーチが重複しているため、単純な合計では正確なリーチ人数を測れません。リーチ効果調査(クロスメディアユニークリーチレポート)を利用することで、メディア間の重複を除いた、より正確な「ユニークリーチ数」を把握できます。

指標3|ブランドリフト調査
広告に接触した人と接触していない人のグループを比較し、ブランド認知度や比較検討、好意度といった「態度変容」がどれだけ起きたかを調査する手法です。直接的なコンバージョンだけでなく、ブランドへのポジティブな影響を可視化できます。

広告費用以外に必要な動画制作費用の目安
YouTube広告を配信するには、当然ながら広告用の動画クリエイティブが必要です。制作会社に依頼する場合、広告費とは別に以下の制作費用がかかります。
種類 | 費用目安 | 内容 |
---|---|---|
静止画の簡易編集 | 数千〜数万円 | 既存の静止画や画像素材をスライドショー形式でつなぎ合わせ、テロップやBGMを加える簡易的な動画です。 |
短尺動画制作 | 10〜20万円 | バンパー広告(6秒)や、SNS向けの15秒程度の短い動画です。企画や簡単な撮影、編集が含まれます。 |
長尺動画制作 | 数十万〜100万円以上 | インストリーム広告などで使用する、30秒以上の本格的な動画です。企画構成、撮影、キャスティング、編集、ナレーションなど、多くの工程が必要となり、クオリティに応じて費用は大きく変動します。 |
これからますます拡大するYouTube広告市場
YouTube広告が重要視される背景には、プラットフォーム自体の圧倒的な成長があります。以下のグラフが示す通り、動画広告市場全体が拡大を続ける中で、広告の種類も多様化しています。

画像引用元:株式会社サイバーエージェント「サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表」
市場の大半を占めるインストリーム広告が安定的に成長する一方、縦型動画広告の成長が著しく、2023年の526億円から2028年には2,088億円へと約4倍の規模に拡大すると予測されており、その重要性が増しています。

画像引用元:株式会社サイバーエージェント「サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表」
このトレンドを支えるのが、テレビやスマホでの視聴スタイルの変化です。特にテレビデバイスでのYouTube視聴時間は、すでに地上波の主要局に匹敵、あるいはそれを超えるレベルに達しています。

さらに、スマートフォンでの視聴においてはYouTubeショートの存在感が急速に高まっています。以下のグラフの通り、月間の投稿本数はこの2年間で約10倍に増加しており、ユーザーの可処分時間を獲得する上で欠かせないフォーマットとなっています。

このように、リビングから個人の手元まで、あらゆるシーンでYouTubeの利用が深化しているからこそ、YouTube広告は今後さらに「当たり前」のマーケティング手法となるでしょう。
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まとめ|YouTube広告の費用は「目的から逆算」して決めよう
YouTube広告の費用は、認知拡大(CPM:300〜800円/1,000回表示)、比較検討(CPV:2〜30円/1再生)、行動促進(CPA:広告主設定)という課金方式により、入札形式で決定されます。そのため、まず広告目的を明確にし、そこから必要な費用を逆算する思考が大切です。
予算の計算例として、100万人へのリーチには約80万円、10万回の視聴獲得には約300万円、100件のコンバージョン獲得には約80万円が目安となります。効果測定では、指名検索数の変化、リーチ効果調査、ブランドリフト調査などの間接指標も重要です。なお、広告費以外に動画制作費として、簡易編集で数千〜数万円、短尺動画で10〜20万円、長尺動画で数十万〜100万円以上が必要なことも覚えておきましょう。
動画広告市場は2028年に1兆円超の規模へ成長が予測され、特に縦型動画広告が4倍の拡大が見込まれています。ScaleXのような1000社以上の支援実績を持つ専門家に相談することで、企画から動画制作、広告運用までワンストップでサポートを受けられ、目的に最適化された費用対効果の高いYouTube広告運用が実現できるでしょう。