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YouTube広告の種類を徹底解説!広告タイプの選び方と予算の決め方

YouTube広告
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監修者
代表取締役 松尾

YouTube広告は、国内7,120万人以上が利用する巨大プラットフォームで効果的にアプローチできる強力なマーケティング手法です。しかし、広告メニューの種類が多く、課金方式も複雑なため、「どれを選べばいいのか分からない」と感じる方が非常に多いのが現実です。

この記事でわかること

  • 目的別に選ぶ5つのYouTube広告タイプ
  • YouTube広告のCPV・CPM・CPAの違い
  • Googleの高精度ターゲティング
  • YouTube広告が複雑な3つの理由
  • 失敗しない予算設定と効果を最大化する運用のコツ

この記事では、YouTube広告の5つの主要メニューを、目的別に分かりやすく解説します。さらに、費用相場や予算設定の注意点まで、実務で使える情報をまとめました。YouTube広告の選び方で迷っている方は、ぜひ最後までお読みください。

YouTube広告の基本は?目的別に最適な配信タイプを選ぼう

画像引用元:総務省「9. 各種動画サービスの利用率の推移 」

YouTube広告は、国内月間7,120万人以上(※2023年10月時点)という圧倒的なユーザー数を誇るプラットフォームに動画を配信できる、強力なマーケティング手法です。

さらに、上記のグラフではその利用率は他の動画配信サービスを大きく引き離していることがわかります。YouTubeの利用率(90.5%)は全世代にわたって非常に高く、他の追随を許しません。

まさに「動画を見るならYouTube」という状況が、広告プラットフォームとしての価値を確固たるものにしています。

認知拡大ブランドや新商品を、とにかく広く、多くの人に知ってもらいたい。
視聴回数UP(比較検討)製品の魅力を動画でしっかり伝え、他社と比較検討している層にアピールしたい。
コンバージョン(CV)獲得「商品購入」「資料請求」「問い合わせ」など、ユーザーに具体的な行動を起こしてもらいたい。

YouTube広告はGoogle広告のシステムを通じて配信されるため、Googleが保有する高精度なターゲティングデータを活用できるのが最大の特徴です。成功させる上で最も重要なのは、「広告を配信する目的」を明確にすること。目的によって、選ぶべき広告の種類や設定が全く異なります。

YouTube広告の種類は大きく5タイプ【最新メニュー対応】

YouTube広告のメニューは頻繁にアップデートされますが、現在は主に以下の5つのキャンペーンタイプに集約されています。それぞれの目的と特徴を理解しましょう。

①動画リーチキャンペーン
(効率的なリーチ)
②動画リーチキャンペーン
(フリークエンシー目標設定)
③動画ビューキャンペーン④TrueViewインストリーム⑤動画アクション
キャンペーン
マーケティング目的リーチ&認知比較検討、好意度視聴、サイト訪問増加、
フォーム入力
特徴ユーザリーチを最大化指定したFQ目標で
ユニークリーチを最大化
視聴インストリームより3倍以上の
クリック60%以下のCPA
最適化リーチフリークエンシー視聴コンバージョン
参考CPM*¥300¥320¥680¥1,200¥400〜¥980
入札戦略tCPMtCPM目標広告視聴回数上限広告視聴単価(手動)CV最大化目標CPA
アセットバンパー&ショート
&スキップ可能な動画
&インフィード
※ショートのみも選択可能
バンパー&スキップ可能な動画
or スキップ不可の動画(15秒)
ショート&スキップ可能な動画
&インフィード
※ショートのみの選択不可
スキップ可能な動画ショート&スキップ可能な動画
&インフィード
※フォーマット選択不可

種類1|動画リーチキャンペーン(効率的なリーチ配信)

配信面YouTube動画​YouTubホームフィードYouTubeショート
※選択可能
推奨動画
アセット
横向き: 16:9横向き: 16:9縦向き: 9:16
or 正方形: 1:1
推奨秒数横向き15秒横向き6秒縦向き6~60秒

「最小限のコストで、できるだけ幅広い層に動画を届けたい」場合に最適です。 短めの動画(6秒のバンパー広告や15秒以下のスキップ不可広告など)を組み合わせて、最も効率的(低単価)にインプレッション(表示回数)を最大化するようAIが自動で配信します。

新商品の発売時やキャンペーンの告知など、まずは「知ってもらう」ことを最優先する認知拡大フェーズにおすすめです。

種類2| 動画リーチキャンペーン(フリークエンシー目標設定)

フリークエンシー目標設定
配信面YouTube動画​
推奨動画
アセット
横向き: 16:9
推奨秒数横向き30秒以内
横向き6秒

種類1と同じ動画リーチキャンペーンの枠組みですが、こちらは「1人のユーザーに、一定期間で何回まで広告を見せるか」というフリークエンシー(接触頻度)をコントロールできる配信手法です。

「広告がしつこい」と思われるのを防ぎつつ、ブランド名を覚えてもらうために「1週間に3回まで」といった戦略的な配信が可能です。認知向上はもちろん、ブランド想起率を高めたい場合に効果的です。

種類3|動画ビューキャンペーン(VVC)

動画ビューキャンペーン(VVC)
出典: Google調査(米国)2022年
配信面
※選択不可
YouTubeショートYouTube動画​YouTubホームフィード
関連動画
検索結果
推奨動画
アセット
縦向き: 9:16横向き: 16:9正方形: 1:1
推奨秒数11秒以上

“視聴単価(CPV=Cost Per View)”を重視し、「動画をしっかり見てもらう」ことを目的とした比較的新しいキャンペーンタイプです。

AIが「動画を最後まで見てくれそうな人」や「興味を持ってクリックしてくれそうな人」を予測し、その人たちに優先的に広告を配信します。製品の機能やブランドのストーリーをじっくり伝えたい場合や、ファン層を広げたい企業に向いています。

種類4|TrueViewインストリーム広告(スキップ可能)

出典: Google最新概要資料
配信面 ※選択不可YouTube動画​YouTubホームフィード 関連動画 検索結果Googleパートナーサイト・アプリYouTubeショート
推奨動画 アセット横向き: 16:9横向き: 16:9
推奨秒数15秒〜30秒 ※スキップ可能(5秒後)

視聴者にとって最も馴染みのある、動画本編の前後や途中で流れ、5秒後にスキップが可能になる広告フォーマットです。

最大の特徴は、広告が30秒以上(30秒未満の場合は最後まで)視聴されるか、動画がクリックされた場合にのみ費用が発生する点です。興味のないユーザーはスキップするため、企業側は無駄な広告費を削減できます。視聴者が自ら「見る」ことを選択する形式であり、費用対効果に優れた課金形態です。

種類5|動画アクションキャンペーン(VAC)

出典: Google最新概要資料
配信面
※選択不可
YouTube動画​YouTubホームフィード
関連動画
検索結果
Googleパートナーサイト・アプリYouTubeショート
推奨動画
アセット
横向き: 16:9横向き: 16:9正方形: 1:1縦向き: 9:16
推奨秒数15秒
※5本以上入稿推奨

“商品購入・問い合わせ・資料請求”など、明確なコンバージョン(行動)を促すことに特化したキャンペーンです。「購入はこちら」「詳しく見る」といった行動喚起(CTA)ボタンが目立つように表示されます。

AIは「過去に購入や登録をしたことがある人」に近い行動パターンのユーザーを狙って配信するため、ECサイトやオンラインサービスなど、Web上で成果を完結させたいビジネスと非常に相性が良いタイプです。

すべてのYouTube広告で活用できるターゲティング設定

YouTube広告が強力な理由は、Googleの膨大なデータを活用した高精度なターゲティングにあります。広告を「誰に」届けるかを細かく設定できます。

  • 基本属性(ユーザー属性)
    年齢、性別、地域(市区町村単位まで)、子供の有無、世帯収入などで絞り込めます。
  • 興味関心(アフィニティ)
    「料理好き」「スポーツファン」「旅行好き」など、その人の趣味嗜好やライフスタイルに基づいてターゲティングします。
  • 検索履歴・購買意欲(インテント)
    「引越し 見積もり」「ノートPC おすすめ」など、直近でGoogleやYouTubeで何を検索したか、どのような購買を検討しているかに基づいて配信します。
  • サイト訪問履歴(リマーケティング)
    一度自社のWebサイトを訪れたことがある人や、アプリを使用したことがある人に、再度広告を表示してアプローチします。
  • 類似ユーザーやカスタムセグメント
    既存の顧客やサイト訪問者に似た行動パターンのユーザー(類似)や、「特定の競合アプリを使っている人」「特定のURLにアクセスした人」といった独自のセグメント(カスタム)を作成することも可能です。

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YouTube広告が複雑に感じる3つの理由

YouTube広告は非常に強力なツールですが、多くのマーケティング担当者が「設定が直感的でない」「管理画面が難しい」と感じるのも事実です。これは、Google広告というプロフェッショナル向けの高度な配信システムを土台にしているためです。

理由1|メニュー名称の変更が頻繁に行われる

Googleは、AIによる機械学習の進化や市場のニーズに合わせ、広告メニューの名称変更や機能の統廃合を非常に頻繁に行います。例えば、かつて「TrueViewディスカバリー広告」と呼ばれていたものは「インフィード広告」に名称が変わり、「TrueViewアクション広告」は「動画アクションキャンペーン(VAC)」に機能が統合されました。

この変化の速さにより、数年前に書かれた解説ブログやWeb上の情報が、現在の管理画面とは全く異なっているという事態が多発します。独学で学ぼうとすると、古い情報に振り回され、「自分の設定が合っているのか分からない」という混乱に陥りがちなのです。

理由2|目的別に複数のキャンペーン設定が必要

YouTube広告は、「認知」「比較検討」「行動」というマーケティングファネルの各段階に応じて、キャンペーンの「目的」を最初に選ぶ必要があります。この入口の選択を間違えると、その後の成果が大きく左右されます

例えば、「商品購入(CV獲得)」が目的なのに、誤って「認知拡大」目的のキャンペーン(動画リーチキャンペーンなど)を選んでしまうと、AIは「購入しそうな人」ではなく「とにかく安く動画を再生してくれそうな人」に広告を配信しようとします。

結果として、「表示回数は多いのに、全く売れない」という最悪の事態を招きます。この「目的」と「キャンペーンタイプ」の紐付けが、初心者にとっては最初の大きな壁となります。

理由3|広告フォーマットと課金体系の違いが理解しづらい

YouTube広告の難しさを象徴するのが、課金方式の多様さです。

CPV(Cost Per View)
視聴単価
「TrueView広告」や「動画ビューキャンペーン」で使われ、「広告が30秒以上(30秒未満なら最後まで)視聴される」か「広告がクリックされる」と費用が発生します。
CPM(Cost Per Mille)
インプレッション単価
「動画リーチキャンペーン」などで使われ、「広告が1,000回表示される」ごとに費用が発生します。視聴されたかどうかは問いません。
CPA(Cost Per Action
コンバージョン単価
「動画アクションキャンペーン」で使われ、広告経由で「商品購入」や「資料請求」といった成果(CV)が発生して初めて費用(あるいは目標単価)が計算されます。

「どのキャンペーンが、どの課金方式なのか?」「自分の目的には、CPVとCPMのどちらを追うべきか?」という判断が非常に難解です。この課金の仕組みを理解しないまま出稿すると、意図しない形で広告費が消費されてしまいます。

YouTube広告の費用相場と料金の仕組み

YouTube広告には「最低出稿金額」のような明確な定めはなく、理論上は1日100円といった少額からでも出稿が可能です。しかし、実際には「いくらで、何が買えるのか」を理解しておく必要があります。

YouTube広告の料金は「オークション(入札)」で決まる

まず大前提として、YouTube広告には「1再生=〇円」という固定の料金表は存在しません。広告費はすべて、広告主同士の「オークション(入札)」によってリアルタイムで決定されます。

例えば「30代男性・東京在住・車に興味あり」というターゲットには、多くの自動車メーカーや関連企業が入札するため広告単価は高騰し、逆にニッチな興味関心のターゲットは安価になる傾向があります。

YouTube広告の課金方式別の費用目安

このオークションを前提とした上で、各課金方式のおおよその目安単価は以下の通りです。

広告タイプ課金方法目安単価主な目的
TrueView(インストリーム)視聴単価(CPV)3〜10円/再生認知・集客
バンパー広告インプレッション単価(CPM)500〜1,000円/1,000回表示認知拡大
動画アクションキャンペーンコンバージョン単価(CPA)1,000〜5,000円/件(※)CV獲得
動画リーチキャンペーンインプレッション単価300〜800円/1,000回表示リーチ最大化

(※CPAは商材単価や業界、コンバージョンの定義によって大きく変動します)

YouTube広告の予算設定で最も重要な注意点

最も注意すべきは、「目的に合わない出稿設計をすると、費用対効果が大幅に低下する」ことです。

例えば、「商品購入(CV)」が目的なのに、CPM課金(表示単価)の動画リーチキャンペーンを選んだとします。CPM単価が500円と安価に見えても、それは「購入する可能性が低い人」にも大量に表示しているから安いのです。結果、10万円の広告費を使っても1件も売れない、という事態になりかねません。

最初は少額から始め、どのターゲット層の反応が良いか、どの動画クリエイティブがCVに繋がりやすいかといった「効果測定」を重ね、徐々に最適な設定へと最適化していくプロセスが不可欠です。

YouTube広告の運用はプロへの相談がおすすめ

前述の通り、YouTube広告の運用は、頻繁な仕様変更、複雑なキャンペーン設計、多様な課金体系、高度なターゲティング設定など、専門的な知識と多くの工数を要求されます。もし自社での運用にリソース不足や難しさを感じているなら、専門の運用代理店に相談するのがおすすめです。

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代表取締役 松尾
監修者

独学で動画制作を経験したのち、大手マーケティング会社、フリーランスのクリエイターを経て株式会社ScaleXの代表を務める。様々なジャンルのディレクター経験を活かし、動画制作や動画広告運用、YouTubeやTikTokに関する情報を分かりやすく発信していきます。

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